転職面接での質問「自宅からどのように来ましたか?」の答え方
転職面接の始めのほうで、「自宅からどのように来ましたか?」と面接会場までの径路や交通手段を質問されることがあります。
何気ない質問ですが、面接官の質問にはすべてその背後に隠れた意図があると思ったほうがよいでしょう。
一見業務とは関係なさそうな質問でも、その質問の意図を知ることで答え方も違ってきます。「自宅からどのように来ましたか?」と質問されたときの意図、答え方などについて説明します。
なぜ「自宅からどのように来ましたか?」と質問するのか?
そもそも、なぜ「自宅からどのように来ましたか?」と質問するのでしょうか?「自宅からどのように来ましたか?」という質問は、文字通り、交通手段を知りたいという理由はありますが、それだけではありません。この質問を通じて、問題なく自宅から通勤できる範囲なのかという理由のほか、きちんと説明することができるかどかというところも見られる可能性があります。つまり、コミュニケーション力や説明能力があるかどうかという点です。
企業では社内・社外を問わず常に人とのコミュニケーションが必要になります。それだけに、「自宅からどのように来ましたか?」と質問されたときに、簡潔かつスムーズに回答できるよう前もって準備をしておきましょう。
「自宅からどのように来ましたか?」の質問の具体的な意図とは?
次に、「自宅からどのように来ましたか?」という質問には具体的にどのような意図があるのか考えてみましょう。以下の意図が考えられます。
- 通勤が可能な範囲内か?
- 相手に分かりやすく伝えることができるか?
- 早朝出勤や残業に対応可能か?
- (遠距離通勤の場合)問題なく通いきれるか?
それぞれの意図について以下に説明します。
1. 「通勤が可能な範囲内か?」について
面接者の自宅から勤務先までの通勤が現実的に可能かどうかが見られます。面接者が毎日かなり無理をしなければ通勤できない場所に住んでいる場合、「本当に毎日通えるのか?」、「残業が発生した翌日に遅れることなく出勤できるのか?」と面接官は不安になります。企業側としては、「業務に支障が出ないこと」を望んでいます。
2. 「相手に分かりやすく伝えることができるか?」について
情報を整理して適切に相手に伝えることができるのかどうかが見られます。面接者の答え方から、その人のコミュニケーション力、相手に分かりやすく順序だてて説明する力などをどのくらい持っているのかが分かります。
3. 「早朝出勤や残業に対応可能か?」について
企業によっては早朝出勤や残業が発生します。早出残業や通常の残業が発生した場合、対応可能かどうかが見られます。自宅が比較的、近くにある場合は問題ありませんが、遠くの場合は、「早朝出勤や残業に対応可能か?」を心配されます。つまり、居住地が遠いことが原因で早朝出勤や残業に対応できず、業務に支障が出ることを懸念されます。
4. 「(遠距離通勤の場合)問題なく通いきれるか?」について
遠距離通勤ならば、毎日問題なく通勤できるかどうかが見られます。遠距離通勤の場合、当然通勤時間が長くなります。それが毎日何年も続きます。遠距離であっても問題なく通勤できることをアピールする回答も添えることで面接官に安心感を与えることができます。
「自宅からどのように来ましたか?」の質問に対する適切な答え方
面接で「自宅からどのように来ましたか?」と質問されたとき、面接官の意図を読み取り回答することがポイントです。どのように回答すればよいのかについて説明します。
自宅からの交通手段と経路を分かりやすく簡潔に回答する
いきなり「○○駅で○○線に乗り、○○駅で○○線に乗り換え・・・」と経路を具体的に話し始めるのではなく、まずは電車なのかバスなのか「交通手段」を伝え、次に詳細な「経路」を伝えていきます。経路についてはどの沿線を利用して、どの駅で乗り換えたのかを面接官がイメージしやすいように具体的かつ簡潔に説明します。
面接会場までの所要時間を伝える
経路だけではどのくらいの時間がかかるのかが伝わりません。自宅から面接会場までのおおよその時間も合わせて伝えることをおすすめします。おおよその所要時間を伝えることで全体を具体的に把握すことができるようになります。
交通手段に問題がないことを回答する
「自宅からどのように来ましたか?」という質問は、単に経路や所要時間を把握するためだけではなく、自宅から勤務先までの交通の便が悪いときや、早朝出勤や遅くまで残業した場合の交通手段に問題がないかどうかを確認するときにも聞かれます。面接官のこのような意図をくみ取り、交通の便が悪かったり、遅い時間まで残業になったとしても交通手段に問題がないことをアピールする必要があります。
(遠距離通勤の場合)業務に支障がないことをアピールする
通勤時間や帰宅時間に時間がかかることは次の事柄が危惧されます。
- 交通手段がなくなることで、残業に対応できず業務に支障が出る。
- 「遅刻」や「欠勤」の可能性が出てくる。
通勤に時間がかかり、遅くまで残業できない場合は、早出出勤で対応することを伝えることで対応力があることを示すことができます。また、「遅刻」や「欠勤」の危惧に対しては、過去の実績を話したり、実績がないならば、体力に自信があることを強調することで問題がないことを示すことができます。
(遠距離通勤の場合)過去にも支障なく通勤した実績を話す
特に遠距離通勤になる場合は、通勤に時間を要するために、身体的・精神的に影響が出ないかどうか、遠距離通勤が理由で通いきれずに、すぐに辞めていかないかの懸念があります。遠距離通勤を経験したことがあるならば、具体例を挙げて支障なく通勤できたことを話すことで面接官を安心させることができます。
「自宅からどのように来ましたか?」の質問の良い回答例
「自宅からどのように来ましたか?」と聞かれたときの良い回答例を次に示します。
良い回答例1
バスと電車を使ってきました。自宅から最寄り駅である○○駅まではバスを使います。○○駅からは○○線でA駅まで行き、その後○○線に乗り換えB駅に到着します。B駅から御社までは徒歩で来ました。自宅を出てから御社まで約○○分で到着することができます。
良い回答例2
自宅から最寄り駅まではバスを使います。最寄駅からは○○線でA駅まで行き、その後○○線に乗り換えB駅に行き、さらに○○線に乗り換えてC駅に到着します。C駅から御社までは徒歩で来ました。自宅を出てから御社に到着するまで約○時間かかります。
少し時間がかかり、乗り換えも多いですが、残業で遅い時間になったとしても、電車やバスは○時頃まで運行していますので問題ございません。
良い回答例3
自宅から最寄り駅まではバスを使います。最寄駅からは○○線でA駅まで行き、その後○○線に乗り換えB駅に到着します。B駅から御社までは徒歩で来ました。
自宅を出てから御社に到着するまで約○時間かかります。自宅から御社まで時間はかかりますが、前職でも同じくらい時間をかけて通勤していました。前職では遅刻や欠勤などで会社に迷惑をかけたことは皆無でした。
「自宅からどのように来ましたか?」の質問の悪い回答例
「自宅からどのように来ましたか?」と聞かれたときの悪い回答例を次に示します。
悪い回答例1
バスと電車を使って来ました。
悪い回答例2
バスと電車を使って来ました。自宅から御社まで約○○分かかりました。
悪い回答例3
まず自宅から最寄り駅まで徒歩で行きます。最寄り駅までは○○分かかります。次に○○線に乗り、○○駅で降ります。その駅までは3駅ですので、その区間は○○分で行けます。その次に○○線に乗り換え○○駅まで行きますが、その区間は8駅ありますので○○分かかります。その後は徒歩で御社まで○分ですので、自宅から御社まで合計○時間かかります。ただし時間帯によっては○○線は乗り換えの連絡が悪く、○時間○○分かかる場合もあります。最終電車は○時○分です。
悪い回答例4
電車で来ると乗り換えが必要なため時間がかかるので、今日は自宅から自家用車で来ました。
「自宅からどのように来ましたか?」の質問の回答方法のまとめ
- 「電車」、「バス」などの交通手段だけではなく、具体的に乗降する駅名、路線、所要時間を伝える。
- 早朝出勤や残業が発生した時でも交通手段に問題がないことを話す。
- 遠距離通勤の場合は、前職などでこれまで遅刻や欠勤など勤怠面で問題なかった実績を話す。
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