面接で「出張や出向があれば対応できますか?」と聞かれたら、ほぼ間違いなく出張や出向が発生すると考えた方がよいでしょう。この質問には、応募者の仕事に対する姿勢や柔軟性を確認したい意図があります。出張や出向にはさまざまな期間が想定できます。例えば「出張」の場合、1〜2日くらいの短期出張もあれば、数週間にも及ぶ長期出張もあります。「出向」ならば自宅から通える範囲の場合と転居がともなう場合とがあります。条件によっては出張や出向が難しい場合でも慎重に答えたいところです。
転職面接で出張や出向が対応可能かどうかを質問されたときの面接官の質問の意図、回答のコツを回答例を挙げて説明します。
なぜ「出張・出向があれば対応できますか?」と質問するのか?
冒頭でも書いたとおり、出張や出向が対応可能かどうかを質問されるということは、頻度や期間は分かりませんが、ほぼ間違いなく出張や出向が発生すると考えた方がよいでしょう。仮に採用後に出張や出向が発生したとき、「対応できません」と言われても企業側としては困ってしまいます。お互いの行き違いを防ぐためにも、企業側としても事前に確認しておきたい意向があります。同時に、応募者の柔軟性、業務に対する姿勢・責任感・取り組み方を確認しようとします。
ただ、長期出張であれば数か月に及ぶこともありますし、出向であれば数年かかる場合もあります。その点は面接時に確認しておくとよいでしょう。
出張や出向が対応可能かどうかの質問の意図は?
面接で「出張・出向があれば対応できますか?」という言葉には、具体的にどのような意図があるのか考えてみましょう。
- 当社の業務に対して柔軟に対応できるか?
- 当社の業務を理解しているか?
- 入社後の業務の行き違いを防ぎたい。
それぞれの意図について詳細に説明します。
1. 「当社の業務に対して柔軟に対応できるか?」について
企業に採用されたときに任された業務も、社内外の状況や社内での立場などによって常に変化していくものです。そのため、企業側は状況に応じて臨機応変に対応できる人材を求める傾向が強いです。企業側視点で見た場合、状況に応じて柔軟性がある人材と柔軟性がない人材とでは、前者を採用したがるかことは容易に想像できるでしょう。柔軟性のなさは周りとの協調や業務進行の停滞を招く恐れがあります。柔軟性を持つ人材は企業にとっても有益な人材であると考えられます。
2. 「当社の業務を理解しているか?」について
出張や出向が発生する場合には、たいていの場合、求人情報「全国出張あり」などの文言が書かれています。出張や出向が発生するのを分かったうえで応募してきているのかを確認するために聞かれます。
3. 「入社後の業務の行き違いを防ぎたい」について
入社後に出張や出向が発生したときに、「出張や出向のことは聞いてません」など行き違いを防ぐためにも、面接の時点で認識してもらうために聞かれます。
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問に対して印象を良くする答え方
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問に対してどのように答えるのが良い印象を与えるのか説明します。
まずは「対応できる」ことを伝える
出張や出向が対応できるかどうかを質問されるということは、ほぼ間違いなく出張や出向が発生すると考えてよいでしょう。仮に長期出張や長期出向の対応が難しかったとしても、まずは「対応できます。」と回答し、業務に対する意欲、積極性をアピールします。出張や出向に対して難色を示してしまうと選考がかなり不利に働く可能性が高いです。その上で、もし、疑問点があるならば、その上で、出張や出向の頻度や期間を確認するとよいでしょう。
仮に短期間のの出張でさえ対応が難しい場合でも「対応できる」旨を伝えるべきです。応募先企業に決めるかどうかは採用通知をもらってからでも遅くありません。もしどうしても対応できないならば、採用後に辞退する選択肢もあります。
「面接の質問「残業や休日出勤にも対応できますか?」はどう回答する?」と同様の回答方法と考えてよいでしょう。
確認したいことは「対応できる」ことを伝えた後に行う
「出張」や「出向」といってもさまざまな期間が想定できます。例えば「出張」の場合、1〜2日くらいの短期出張もあれば、数週間にも及ぶ長期出張もあります。「出向」ならば数年に及ぶ場合もあります。場所に関しては転居がともなう場合もあります。応募者にとっては出張や出向の期間と場所が気になるところです。
しかし、「出張・出向があれば対応できますか?」と聞かれて、いきなり「どれくらいの期間でしょうか?」と聞くのではなく、まずは、「対応できる」旨を伝えたうえで確認しましょう。
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問に対して印象を悪くする答え方
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問に対してどのように答えると悪い印象を与えてしまうのか説明します。
「対応できません」は不採用を覚悟の上で回答
面接で出張や出向の可否について聞かれたときは、ほぼ間違いなく出張や出向が発生すると考えた方がよいです。面接官は「対応できます。」という回答を期待しています。したがって、「対応できません。」という回答は不採用を前提にした回答になります。
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問の良い回答例
「出張・出向があれば対応できますか?」と聞かれたときの良い回答例を次に示します。
良い回答例1
(1)対応できます。前職では全国各地のほかに海外にも営業所があり、1日から1週間程度の出張を経験してきました。家庭の事情があり、1週間程度の長期の出張が必要な場合は、(2)事前におっしゃっていただければ、対応できます。(3)前職におきましても、そのように行ってきました。
良い回答例2
はい、(1)業務上必要であれば可能な限り対応したいと考えております。家庭の事情で現在住んでいる場所からあまり長期間は離れることができませんが、(2)最善を尽くして柔軟に対応していきたいと考えております。
「出張・出向があれば対応できますか?」の質問の悪い回答例
「出張・出向があれば対応できますか?」と聞かれたときの悪い回答例を次に示します。
悪い回答例
その時の状況に依ります。家庭の事情により対応できない可能性があります。
出張や出向が対応可能かどうかに関する回答方法のまとめ
- 入社後に労働条件の行き違いを防ぐために聞く質問である。
- 業務に対して柔軟に対応できるかどうかを確認する質問である。
- まずは「対応できます。」と回答したうえで、出張や出向の頻度や期間を質問する。
- 前職での出張や出向の実績についても語り、信ぴょう性を持たせる。
- 出張や出向が困難な事情がある場合でも、可能な限り柔軟に対応できる姿勢を示す。