転職面接の質問「仕事で失敗したことはありますか?」の回答方法と回答例

転職面接の質問「仕事で失敗したことはありますか?」はどう回答する?

転職面接で、過去の仕事の失敗体験を質問されることがあります。失敗談を話すことで逆に評価を下げてしまうのではないかと思うあまり、どこまで話して良いのか悩んでしまう人もいるかもしれません。面接官は応募者の失敗談を単に興味本位で聞いているわけではありません。過去の仕事の失敗体験を質問するにも面接官の意図があり、その意図に沿って回答することでアピールにつなげていきたいところです。
仕事での失敗談を聞く質問に対してどのように回答すれば高い評価を得ることができるのかを説明します。

 

 

 

 

 

なぜ「仕事で失敗したことはありますか?」と質問するのか?

仕事の失敗を聞く理由

 

面接官がこの質問をする背景には、単に応募者が過去に仕事でどのような失敗をしてきたのかを興味本位で知りたいわけではなく、その失敗に対してどのようにリカバリーをして、失敗から何を学び、学んだことを次にどのように活かそうとしたのかということを引き出そうとします

 

仕事で失敗を一度も経験しない人はいません。失敗の大小に関わらず何かしらの失敗は誰でも経験することです。ですので、失敗談を話したからといって評価が下がるわけではありません。失敗しても、失敗から学ぼうとするポジティブさ、精神的な忍耐力、問題解決能力を面接官は回答として求めます

 

 

 

 

「仕事で失敗したことはありますか?」と質問された時の具体的な意図とは?

面接官からの質問にはすべて意味があります。仕事における失敗談を聞く質問にも明確な意図があります。以下に質問の意図について説明します。

 

  • 1. 失敗した原因を分析する力はあるのか?
  • 2. 問題解決能力があるか?
  • 3. 失敗をどのように克服したのか?
  • 4. 失敗を克服してどのように仕事に活かしていこうとしているのか?

 

「1. 失敗した原因を分析する力はあるのか?」について

失敗には必ず原因があります。同じ失敗を繰り返さないためには何が問題だったのかを的確に分析する力が必要です。原因分析力がなければまた同じ失敗を繰り返してしまいます。的確に原因を分析する力があれば失敗を糧に社会人としての成長することが望まれます。

 

「2. 問題解決能力があるか?」について

仕事をしていると誰でも失敗をするものですが、失敗した時、失敗のままで終わらせるのではなく、その失敗をどのように解決したのかを面接官は確認しようとしています。失敗談を語って終わりではありません。失敗をどのように解決したのかを話す必要があります。

 

 

 

 

「3. 失敗をどのように克服したのか?」について

失敗のたびに挫けるだけだと何の成長も期待できません。失敗したことを反省し、次に失敗しないようにするためにはどのようにすれば良いのかを考えられるかどうかはビジネスにおいて大切な要素です。失敗したことをポジティブに捉えて「学び」として次に活かすことができたのかどうかが見られます。失敗を学びに変えられる応募者は成長が期待されます。

 

「4. 失敗を克服してどのように仕事に活かしているか?」について

失敗を克服して、そこから学んだことをどのように仕事に活かそうとしているのかが見られます
失敗を克服して学びを得たとしても、その学びが応募先企業での業務にどのように活きるのかを話さなければアピールになりません。学んだことを応募先企業にも活かせることを回答に含めれば、面接官からの評価を得ることができます。

 

仕事の失敗談についての質問に対する回答の方法

「仕事で失敗したことはありますか?」と質問された時は、以下のストーリーを展開して回答します。

 

  1. 学びにつながった失敗を話す
  2. 失敗の背景にはどのような原因があったのかを説明する
  3. 失敗体験をどのように克服したのかを説明する
  4. 失敗で学んだことをどのように活かそうとしているのかを説明する

 

 

 

 

1. 学びにつながった失敗を話す

「仕事で失敗したことはありますか?」の質問の背景には、応募者が失敗をどのように解決し、その失敗から何を学び、学んだことをどのように活かそうとしているのか、という意図があります。ただの失敗で終わった失敗は話す意味がありません。面接官の意図に沿って回答するためには、学びにつながった失敗を話す必要があります

 

2. 失敗の背景にはどのような原因があったのかを説明する

失敗には必ず原因があります。自分なりに分析してどこに原因があったのかを話します

 

3. 失敗体験をどのように克服したのかを説明する

面接官は、失敗した内容よりも、その失敗をどのように克服したのかという点に注目します。失敗の内容を簡潔に説明し、その失敗の克服方法を重点的に話します。克服できたということは、失敗に挫けない精神力を持っていることの証明にもなります。
さらに、再発防止に努めたこと、業務改善に取り組んだことなども話すことができればさらに印象が良くなります

 

 

 

 

4. 失敗で学んだことをどのように活かそうとしているのかを説明する

失敗を克服して学びを得たとしても、その学びが応募先企業での業務にどのように活きるのかを話さなければアピールになりません。どのように活かすのかについては、応募先企業の求人案内や業務内容から探すことができます。活かす対象は業務だけでなく、社風や企業が求める人物像も含まれます。面接前には十分に企業研究をしておきましょう。

 

失敗談を話す時に注意すること

失敗談を話すときに注意すること

 

失敗談であれば何でも話せばよいというわけではありません。失敗談を話す時に注意すべきことを以下に説明します。

 

社会人として常識の欠ける失敗談は避ける

失敗にもさまざまなものがあります。その中でも社会人としての常識に欠けるような失敗談は避けるべきです。例えば、「クライアントとの約束の時間に遅れてしまった」という失敗談の場合、失敗の原因や改善策を挙げることはできますが、約束の時間に遅れないことは当然のことであり、社会人としての常識に欠ける失敗談です。このような類の失敗談は避けるべきです。

 

 

 

 

失敗を再発しそうな失敗談は避ける

自分の性格や性質などが原因で起こった失敗は、転職先でも起こりうると思われる可能性があります。「集中力が続かない」、「注意力が散漫である」、「我が強い」など性質や性格はすぐに改善できることではないため、「当社でも同じ失敗を繰り返すのでは」と面接官に不安を抱かせてしまいます。

 

「失敗したことはありません」の回答は評価が下がる

どれだけ優れた人であっても必ず失敗はするものです。優れた結果を出している人ほどさまざまなことにチャレンジしてきた分、失敗の数も多いという考え方もできます。「今まで失敗したことはありません。」と回答する人は、逆の見方をすれば、失敗しないように何にもチャレンジしてこなかったと見られてしまう可能性があります

 

仕事で失敗したことがない場合に疑われる理由
  • 現状より難易度の高いことにチャレンジしてこなかった。
  • 責任のある仕事を任されていない。
  • 失敗を恐れて責任のある仕事を行ってこなかった。
  • 失敗をしても、他に責任転嫁するため失敗をしたという自覚がない。
  • 問題意識が低く、失敗を真剣に受け止めない。

 

 

 

 

「仕事で失敗したことはありますか?」の質問の良い回答例

「仕事で失敗したことはありますか?」と聞かれた時の良い回答例を以下に紹介します。

 

良い回答例1

チラシ広告の編集を担当していた時に、(1)商品の価格を間違えてしまい、クライアント様に大変なご迷惑をかけてしまったことがあります。(2)経験と勘だけに頼った仕事方法に問題があったと思います。クライアント様に謝罪し、それからは(3)チェックリストを基にしたチェック方法、フローの見直しなどを行うことで品質向上を実現することができました。その改善のおかげで、納品の直前にクライアント様のチェック漏れを何度か見つけることができ、クライアント様から絶大な信頼を得ることができました。(4)この経験を御社の編集業務でも活かし活躍していきたいと思います。

上の回答例では、(1)失敗の内容、(2)失敗の原因、(3)再発防止による失敗体験の克服、(4)応募先企業の業務で活かそうとしていることが回答内に含まれています。再発防止のための業務改善をしたことでクライアントからの信頼を得ることができたことはアピールポイントになります。

 

良い回答例2

上司からの指示で作成したプレゼン資料の提案内容が、(1)上司が考えている方向性から大きくずれてしまい、資料作成に費やした時間が無駄になり、大きな時間ロスになってしまったことがあります。原因としては、(2)上司に確認しないで自分の判断だけで作業を進めてしまったことが良くなかったと思います。
そこで、(3)上司に段階的にレビューしてもらいながら作成していくことにしました。その結果、プレゼン資料が効率よくスピーディーに作成できるようになっただけでなく、上司・部下の間のコミュニケーションも活発・スムーズになりました。資料作りの失敗が、部内の雰囲気を良くすることにもつながり、結果的にはよかったと思っています。
御社でもこの経験を活かし、(4)上司や同僚と連携して作業を行う場合は、早めにコミュニケーションをとって共通認識を持つようにし、皆さんの期待に添えるよう業務を遂行してまいりたいと思っています。

上の回答例では、(1)失敗の内容、(2)失敗の原因、(3)再発防止による失敗体験の克服、(4)応募先企業の業務で活かそうとしていることが回答内に含まれています。

 

 

 

 

良い回答例3

前職において、(1)納品日と発送日を間違えてしまい、納品日に商品を発送しようとしていました。失敗してしまった原因としては、(2)「思い込み」によって以前の職場でのやり方を適用してしまい、新しい職場でのやり方をしっかりと確認しなかったからです。
すべての納品先に社員総出で納品日当日に車で届けてもらうことで、なんとか遅れずに納品することはできました。その後改善策を会議で話し合いました。自分が間違えていることをしていても疑問を持ってくれる人が必ずいる体制を作る必要があると考え、(3)すべての作業においてダブルチェックを行う体制に変えました。その結果、社内全体でミスを減らすことになりました。この経験を活かし、(4)御社の業務においても取り入れて、品質向上に役立てていきたいと考えております。

上の回答例では、(1)失敗の内容、(2)失敗の原因、(3)再発防止による失敗体験の克服、(4)応募先企業の業務で活かそうとしていることが回答内に含まれています。

 

良い回答例4

経理事務のお仕事をしていた時に、(1)振り込む金額を間違えてしまいました。取引先と振り込む金額をエクセルの表にまとめ、振り込みをしていたのですが、その表に入力した金額が間違っていました。(2)自分が作成したエクセルの表が正しいと思い込み、取引先の請求書と照らし合わせなかったことが原因だと思います。その後は、(3)請求書の金額とエクセルの表の金額の照合を行い、2度確認するようになり、失敗をすることがなくなりました。この経験を活かして(4)重要な業務においては2度確認することで失敗を無くし、信頼を得るような営業員になって御社に貢献したいと考えています。

上の回答例では、(1)失敗の内容、(2)失敗の原因、(3)再発防止による失敗体験の克服、(4)応募先企業の業務で活かそうとしていることが回答内に含まれています。

 

 

 

 

「仕事で失敗したことはありますか?」の質問の悪い回答例

「仕事で失敗したことはありますか?」と聞かれた時の悪い回答例を以下に紹介します。

 

悪い回答例1

物流倉庫で出庫データの入力業務を行っていたとき、数値を誤って入力してしまい、クライアントからクレームを受けてしまいました。

上の回答例では、失敗談だけの回答で終わっています。面接官は、失敗の内容を知りたのではなく、失敗をどのように克服したのか、再発防止や業務改善にどのように取り組み、応募先企業でどのように活かしていこうとしているのかを知りたいのです。

 

悪い回答例2

通信機器の検証を担当していた時ですが、検証結果に不具合が発生したにもかかわらず、バグリストへの記載と上司への報告が漏れてしまい、不具合を抱えたまま商品として販売されてしまいました。私は(1)ときどき注意散漫になることがあり、(2)うっかりミスを起こしがちです。今後はそのようなことが起きないように注意していきたいです。

上の回答例では、(1)「ときどき注意散漫になることがある」、(2)「うっかりミスを起こしがち」など本人の性質に起因している失敗は簡単に直せるものではありません。今後も再発の可能性がある内容は面接官を不安にさせてしまいます。「今後はそのようなことが起きないように注意する」と回答しても、また同じことが起きるのではないか、と面接官は思ってしまいます。再発を予感させる回答は避けるべきです。

 

 

 

 

悪い回答例3

クライアント様企業内で(1)打ち合わせを行う時間に大幅に遅れてしでまったことがあります。単に私の思い込みによるミスでした。それ以来、(2)必ず待ち合わせ時間を事前に確認するようにしています

上の回答例では、(1)は社会人としてあるまじきことです。評価を下げるだけなので面接ではこのような類の失敗談は話すべきではありません。(2)においては社会人としては当然のことです。失敗を克服し、克服したことで得たことをを応募先企業でも活かせるような内容の失敗談を選ぶべきです。

 

仕事の失敗談についての回答方法のまとめ

  • 失敗体験だけを回答するのではなく、失敗に対してどのようにリカバリーをして、失敗から何を学び、学んだことを応募先企業でどのように活かそうとしたのかを回答します。
  • 失敗体験を聞く意図は、失敗の原因の分析力、問題解決能力、失敗の克服の方法、失敗の応募先企業での活かし方を聞こうとしている。
  • 社会人として常識の欠ける失敗談、本人の性質や性格に起因する失敗談など、応募先でも起こりそうな失敗体験は回答として避ける。
  • 失敗したことがないという回答は何にもチャレンジしてこなかったと疑われる可能性がある。

 

 

 

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